E-1にMagPを装着する



最近は写真全然貼らなくてMacとかカメラとかの機材の話ばかりですがおつきあいください。

さて、今回は、いま巷でなにかと話題のマグニファイングアイピースについて。
去年の春ごろにニコンのDK-17Mが登場して好評を博して(?)以来、メーカーもデジタル一眼レフのファインダー倍率の低さの改善にやっと本腰を入れたらしく、その後オリンパスからE-300、E-500用のME-1やニコンのD200用DK-21Mなどが発売されている。
また、これらのアイピースがキヤノンのEOS 20Dなどにも流用可能なため、ユーザーの間でもひそかにブームになっているみたいである。

ぼくもE-1を買った当初からファインダー倍率の低さには困っていて、どうにかならないものかと常々思っていた。
そんな中、去年のちょうど今頃、「MagP」というアイピースを見つけて、それを無理矢理E-1に装着してみることにした。その頃はまだ、DK-17Mも発売になっておらず、入手可能なのはこのMagPくらいだったと思う。

ということで、1年前のことだけど、MagPのレビューを……。

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MagPは、谷山さんという方が個人的に製作しておられるアイピースで、おもにコンタックスやEOSでのファインダー倍率アップのためにつくられたものだ。谷山さんはこの他にも「Talberg」というファインダースクリーンなんかもつくっておられる。

ぼくが買ったMagPはRTS IIIやAX用で、ファインダー倍率を1.13倍に向上させるタイプ。サイトを見てみると、いまは1.18倍に仕様変更されているようだ。




E-1に装着できるように改造したMagP。接眼レンズが汚れていますがそのあたりはご勘弁を。





ばらしたところ。左からアイピースラバー、像を拡大するためのレンズ、バヨネット部分。





プラスチックのバヨネット部分にMagP本体のネジをねじ込み接着剤で固定したところ。





MagPを装着して真横から見たところ。そんなに違和感はない。

さて、このMagPはコンタックス用のため形状こそ丸くなっているが、E-1のアイピースはバヨネット式になっているためネジ式のMagPはそのままでは取り付けられない。
そこで、E-1に標準付属のアイカップEP-1を流用することにする。
まず、アイカップの外側のラバー部分とガラスを取り外す。ガラスとプラスチックの間にラバーのリングが挟まれているが、これはあとから使うのでとっておく。プラスチックの内側を、MagP本体のネジが噛み合うようになるまでカッターで削っていく。

ちょっとずつ削って、うまく噛み合うようになったら、さきほどのラバーのリングをバヨネットの中に入れて、MagP本体のネジをかみ合わせ接着剤を流し込み完全に固定。ラバーのリングはバヨネットのテンションを保つのに必要なので挟み込んだほうがいい。MagP本体をどれくらいねじ込むかでバヨネット装着時の固さも調節できる。
これで、バヨネット着脱式のマグニファイングアイピースが完成。

使い心地はというと、倍率は1.13倍と控えめなものの明らかにファインダー像が大きくなったのが実感できる。像の歪みなどもなく、安心して使うことができる。
視度調節は、ぼくの場合マイナス一杯に回したところから2目盛り戻したあたりがちょうどいいくらい。ぼくはあまり目が悪くないので問題なかったけど、普段視度補正をマイナス側に調節している人は注意が必要。視度が合わない可能性もある。
装着に関しては、バヨネット式のままなのでマグニファイヤーやその他のアイカップを装着する際も純正アイカップと同様の使い心地を確保でき、さらにバヨネットの固さを固めにして接着してしまえば脱落の心配もなくなる。ぼくはもう丸1年くらい使っているけれど、いままで一度も外れことがない。
それから、見た目の問題。DK-17Mなんかはけっこう後ろに出っぱって不細工なようだけど、MagPは純正のアイカップとほとんどかわらないくらいで、むしろかっこよくなったくらい。このへんも気に入ってるポイントのひとつである。

気になるお値段だけど、DK-17Mみたいな量産品と違って手作りに近い製品なのでさすがに値が張る(値段は谷山さんのサイトでご確認ください。ぼくが買ったときは2万円だった)。
実はこのMagPを使うようになってしばらくしてDK-17Mが発表になったときはとてもショックだった。1.2倍が5,000円以下で手に入るとは……。
しかし、見た目の美しさ、そして贅沢な光学系とコーティングによる歪みのない視野は、他では手に入らないのではないかと思っている(もちろん、比べてみたわけではないのでよくわからないけれど)。
オリンパス純正でマグニファイングアイピースが出ればいちばんいいのだけれど、それはE-1の後継機に期待ということで。

デジタル一眼レフ時代になって低いファインダー倍率にすっかり慣れてしまったわけだけど、もう少しメーカーも倍率アップ(もちろん見え具合やピント山のつかみやすさも含め)に努力していただきたいところだ。

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