世界の蜷川が……
世界の蜷川が、先日彦根にやってきた。
蜷川っていっても一休さんの新右衛門さんじゃないですよ(ちなみに新右衛門さんの本名は蜷川新右衛門親当(ちかまさ)というらしい。どうでもいいですけど)。
世界の蜷川といえば、演出家の蜷川幸雄。
写真好きの方々からしたら蜷川実花の父親っていうほうがしっくり来るかもしれない(そんなわけないか)。
で、その蜷川幸雄がなんで彦根に来たかというと、田原総一郎が塾長を勤める琵琶湖塾という講座の公開講演が彦根で行われたのだ。
実はぼくもあまり蜷川幸雄のことをよく知らなくて、演劇とかも見ないもんだから、予備知識といえば情熱大陸で怒鳴ってる印象くらいしかない。
それこそ、娘の蜷川実花のほうがなじみ深いくらいなのだけど、蜷川幸雄の話が聞けるなんてまたとないチャンスだということで聞きに行ってきた。
どんな話だったかを上手いことまとめるのが苦手なので、とりあえず箇条書きで。多少脚色が入ってる可能性もあるので、そのへんはご容赦を。
- 蜷川幸雄はラーメンが嫌いらしい。それは、劇団をやめて独立したときにだだっ広い稽古場でこれからどうしようっていうときに食べたのがラーメンだったかららしい。
- 田原総一朗とは若いときからのつきあいで、田原総一朗が監督をした映画「あらかじめ失われた恋人たちよ」に俳優として出演していたらしい(結局アップのシーンはカットされた)。
- 自分が信じたことをやっていたら、ちゃんと世界が認めてくれる。
- 海外公演で役者が外国人でも全部日本語で演劇をするらしい。
- 役者の名前はみんな覚える。だからみんなが蜷川の演出についてくる。
- おもしろくない演劇は途中退場する。昔、見ていた演劇があまりにもひどかったので終わってから舞台に向かってトマトを投げた。
- おもしろい演技を見たい。だから一生懸命演出する。灰皿を投げる。
- 埼玉県立の芸術劇場で高齢者の劇団をやっている。
- 生活者(と蜷川幸雄は言った。要するに一般の人の意)の演技には厚みがある。
- 自分は自意識過剰で役者には向いてなかったけど、演出をするときは恥ずかしいと思わずにのめり込める。
- ほんとはテレビドラマの演出もしたい→田原総一朗がテレビ朝日でよかったら口をきくということに。
- 喧嘩しなきゃいけない。というか、自分の意見はちゃんと主張しなきゃいけない。
- 演出をするのは、もっとコミュニケーションをしたいから。
- 来年は1月ごとに次から次へと公演を行う。負けてられないという気持ちと、一度止まったら立ち上がれなくなるんじゃないかという気持ち(田原総一朗も共感)。
- 自分を年寄りだとは思っていないそうだ。まだまだ若い世代と同じ気持ち(推測するにおそらく30歳くらいは若いと思う)。
こういう書き方をすると、とっても誤解を生みそうなんだけど、ぼくが聞いた範囲で印象に残ってるのはこんな感じ。ぼくの解釈も入った記述になっているので話半分で聞いていただけたらと思います。それにしても書き出してみるときりがないですね。
不適切な表現があった場合は削除しますので、関係者の方々、まずいこと書いていたらお申し出ください(関係ないけど「お申し出ください」ってへんな日本語だと思いませんか?)。
そんなわけで、70歳を越えた2人のお年寄りの話はむちゃくちゃおもしろかった。
こういう人たちっていうのは、やっぱり年を取らないのかなぁと思う。普通にその辺にいたら「お年寄り」なんだけど、そんな雰囲気はみじんもないし。
ああいう大人になれたらいいですねぇ。
ちなみに、ほんとにどうでもいいことですが、格闘家の武蔵は蜷川新右衛門さんの子孫らしい。詳しくはWikipediaで。