コーヒーとフィルム現像
おいしいコーヒーを淹れるのって、フィルム現像でキレイなネガをつくるのに似ているなぁと気がついた。
当然のことながら、ドリップをするためにちゃんとした道具とスキルが必要になるのだろうけど、これは、フィルムをきちんとリールに巻けたり、現像液、停止液、定着液と順番を間違えずに現像プロセスを踏んでいくのと同じだ。
さらに、おいしいコーヒーを安定して淹れるということは、新鮮な豆がかかせない。毎回同じ味を保とうと思うならば、いつも新鮮な豆を使い続けなければならない。要するに、不確定要素は極限まで取り除かなければ安定した結果は出せないということで、現像液の温度や疲労具合と通じるものがある。
それから、挽いた豆を買うのか、買ってから挽くのかといった選択肢とその落とし所(妥協点)なんかもそっくりだなぁと思う。
とすると、喫茶店でコーヒーを飲むのはプロラボに現像を依頼するような感じとか……。
きっと、コーヒー屋さんには、ぼくらでは到底知ることのできないもっと細かいなにかがあるのだろうけれど。