GOSSEN SIXTINO2

北海道に旅立った友人(って、彼は以前イタリアに旅立っていたわけだけど、その話は改めて)から、ゴッセンのシックスチノをもらった。もらったというよりは永久貸与。そのかわり、*ist D と引きかえに。

シックスチノは、小さくて電池のいらないセレン光式露出計。
M6をインドで盗まれて、M4-2に乗り換えたときに露出計がないと不便だと思って手に入れた。と、ここまで書いてそうじゃなかったことを思い出した。あのときはセコニックのスタジオデラックスを買ったんだった。いちばんスタンダードなやつ。しかも新品で。
それで、しばらくはスタジオデラックスを使っていた。たいてい一度光の状態を見ておいたら、あとはそこから計算して露出を決定した。大きくて重いからあまり何度もカバンから出したりしまったりするのが面倒だったというのもある。モノクロしか撮らなかったから精度的には十分だった。
しかし、いままでカメラ内蔵の露出計で反射式に慣れていたというのもあって、いまいち上手く馴染めなかった。そこで次に手に入れたのがシックスチノだったというわけだ。

この露出計はとても軽いので携帯しているのが苦にならない。カラビナを付けてベルトループにぶら下げておけば、いつでも気が向いたときに露出を測ることができる。写真を撮りながら歩いているときは、こまめに露出を測りながら常にカメラのシャッタースピードと絞りをセットしておく。そうすることで、いま撮りたいというときに、わざわざ露出を合わせる必要がなくなるわけだ。この方法だと露出計内蔵のカメラよりも素早くシャッターを切ることができる。それに、内蔵露出計に惑わされなくてすむという開放感がなんともいい(とはいえ、M5やM6の露出計もそれはそれでいいのだけど)。
とにかく、ライカでスナップで写真を撮るときは、このシンプルさがぴったり合ってるんじゃないかと思う。

そんなお気に入りのシックスチノだけど、デジタルメインになってからすっかり使わなくなって、後輩にM2を譲るときに一緒にあげてしまった。最近になってまたほしいなぁと思うようになったけどあとの祭り。気がつけばすでに生産中止でオークションでも定価より高値がつくようになっていたのだ。

半ばあきらめて、MRメーターを買ってみたり、スタジオデラックスを引っ張り出したり、さらには露出計内蔵のM5を買ってみたり(ま、これはまた別か)したけれど、どうもしっくりこない。やはりM型ライカにはシックスチノがぴったりなのだ。
なんだかなぁと思っていた矢先に、件の友人がイタリアから帰ってきて、そういえば彼もシックスチノを持っていたのを思い出した。それで、話を持ちかけたところ、晴れて譲ってもらえることになったというわけだ。

ここ数日は、使いもしないのに嬉しくて毎日腰からぶら下げている。
もうすでに1週間くらい経つけれど、実はまだ一度もこの露出計を使ってシャッターを切っていないというのは内緒の話。

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