フィルムスキャンお正月の部は終了

正月3日から取り組んだフィルムスキャンは8日でいちおう一区切り。
4日間でブローニーを20本、35mm判を15本ほどスキャンした。すべてモノクロフィルム。

本当は旅行のときの写真をもっとたくさん取り込むつもりだったのだけど、ローライで撮った6×6のネガをスキャンするのにかなりの時間を費やしてしまった。

4日間ほぼ丸1日中スキャンしてこの程度なのだから先が思いやられる。
しかも、スキャンしたのはいいとして、その画像をレタッチする時間を考えるとさらに膨大な時間がかかるだろう。
旅行中のネガは35mm判で約100本ある。そのうちスキャンが終わったのが30本で、レタッチ済みが10本ちょっと。まだこの10倍以上の作業時間が必要だということだ。このペースでいったら1年以上かかっても終わらないんじゃないかと思う。過去の整理をしているばかりで前に進めない……。

割り切って気に入ったカットだけスキャンすればもう少し効率よく短時間で済むのかもしれないけれど、デジタルでベタ焼きをつくりたいと思っているので全部スキャンしないと気が済まない。そういう意味ではデジタルになってぼくらの時間はどんどんなくなっていくように思う。

愚痴ばかりになってしまったけれど、全部スキャンすることでいいこともある。
いままではベタ焼きをつくってその中からよさそうなカットを選んでプリントして終わりだったけど、全部スキャンするとなるといいカットも悪いカットもひっくるめて撮ったすべての写真と向き合わなくてはならなくなる。だから、いままで見過ごしていた何気ないカットが実はとても気に入ったものなるというのもあるし、逆に悪いカットはどこがいけなかったのかを考えるようになる。
すでに6年も前に撮った写真たちと、いまになってはじめてちゃんと向き合えているような気がするのだ。

そんなわけで、しばらく昔の写真を整理し直して、自分がどんな写真を撮りたかったのか、どんな写真を撮りたいのかを考えてみたいと思っている。
ずっと新しいことをやって前に進んでいくのもいいけれど、立ち止まって過去を見直すのも悪くはない。きっとそうすることも立ち止まるのではなく別の意味で前に進んでいくということなのだと思う。

最後にここ数日のスキャンの中から。




Konica Hexar RF / Summicron 50mm F2(1st) / TMY

中国雲南省元陽に向かう途中で。2000年7月撮影。元陽は昆明から300kmほど南の小さな街。バスで1泊2日。いくつもの山を越えていく。




Konica Hexar RF / M-Rokkor 28mm F2.8 / XP2

初めて元陽を訪れたとき、天空の城だと思った。尾根沿いにへばりついた家々は霧が立ちこめるとすっぽりと雲に覆われて雲の上に浮かんでいるようだった。




Konica Hexar RF / M-Rokkor 28mm F2.8 / TMY

元陽の中心部。霧で数メートル先もよく見えないほど。この坂を下ったところがちょっとした広場になっていて、月に何度か周辺の少数民族が集まってきてマーケットが開かれる。




Konica Hexar RF / M-Rokkor 28mm F2.8 / XP2

元陽は棚田で有名な街。本当はもっと壮大な棚田があるのだけれど、ぼくは最初その場所がよくわからなくて辿り着けなかった。そのときに撮った1枚。

元陽については写真家の青柳健二さんのサイトを参照のこと。ブログもある。ぼくは直接面識はないのだけれど、ぼくの妹とか、この旅で出会った友人たちは会ったことがあるそうだ。
* * *
すっかり旅行の話になってしまったけれど、最後にプリントのことを少し。
ここ数日ずーっと写真をレタッチしていて思ったのは、デジタルになっても暗室でのプリント作業と同じで焼き込みや覆い焼きによって思い通りのトーンが出せたときは飛び上がるくらいうれしいということだ。と同時に、どういうトーンを目指してどういうトーンをつくり出すかというのはつくづく難しいとも思う。

いまのところ撮影欲よりプリント欲のほうが強くなってきたので、しばらくはカメラより写真集なんかにお金を費やして、もっとたくさんいい写真を見たいなぁと思っている。そのほうがお金もかからないしね。

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